これまで下田直子さんという作家を全く知りませんでしたが
母に勧められて展示を見に行ってきました。
それが予想以上にステキな展示でした。
刺繍、編み物、ビーズ、フェルトを使って
鞄や服やアクセサリーなどなど。
そのどれもが図案の段階からすべてオリジナル。
「そこまでするの?」 っていう程すごく緻密で
ため息がでるような可愛い作品が並んでいました。
器用な人ってこういう人の事です。
*
先日、バス停で見知らぬオバサンに
「あなたのコート、すごく変わったデザインね」 と声をかけられました。
聞けば、その方のコーディーネートはすべて手作り。
いつも街行く人の服をチェックして参考にしているらしい。
今は安くで何でも手に入るけれど、昔は作るしかなかったからねぇ
昔はミシンが無いとお嫁に行けなかったわよ
と教えてくれました。
すごいなぁ・・・
言われれば、自分の母親も祖母もよく手作りしてくれたっけ。
私はあんまり手先に自信が無いし、
大学の授業で作ったブラウスやスカートもかなり悪戦苦闘した。
めちゃくちゃ時間をかけて作った、ブラウスとスカート。
でも一度も着ずに箪笥の肥やしになっている。
袖を通さない虚しい服。
でも、手を動かして作ったあの苦しい時間が
服の価値を、服ができるまでの背景を教えくれました。
あの時、「海外で安い人件費で作られる服ってどうなの?」 ってはじめて考えました。
だから、下手くそでも、実用性がなくても
手を動かして、作ってみて、ちょっと考えるって大切だなと。
下田直子さんの作品を見て、とても真似はできないけれど
「久々にやってみるか!」 って少しだけ思いました。